疾患情報

■脳クレアチン欠乏症候群とは

脳クレアチン欠乏症候群とは、脳内のクレアチンが欠乏することにより、 精神遅滞、言語発達遅滞、てんかんなどの症状がみられる病気です。
現在、①グアニジノ酢酸メチル基転移酵素(GAMT)欠損症、
   ②アルギニン・グリシンアミジノ基転移酵素(AGAT)欠損症、
   ③クレアチン輸送体(SLC6A8)欠損症の3つの疾患が現在わかっています。
このうち③のクレアチン輸送体欠損症が最も多く、尿の検査で概ね診断することができます。


■この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

クレアチン輸送体欠損症は、世界に100万人以上が発症していると推定されています。 日本での詳しい発症件数はまだ明らかになっていません。


■この病気の原因はわかっているのですか、また遺伝するのですか

クレアチン輸送体欠損症は、X連鎖性劣性の遺伝疾患です。
男性に多く発症しますが、一部女性にも精神遅滞や学習障害などの症状がみられるケースがあります。


■この病気ではどのような症状がおきますか

脳クレアチン欠乏症候群は、主な症状として、軽度から重度の精神遅滞、この他、言語発達遅滞、てんかん、自閉症、 錐体外路症状などの症状があらわれます。 これらの症状の全てが脳クレアチン欠乏症という訳ではありませんので、 まずは尿検査で調べる必要があります


■この病気にはどのような治療法がありますか

①グアニジノ酢酸メチル基転移酵素欠損症、②アルギニン・グリシンアミジノ基転移酵素欠損症には 早期のクレアチニン投与が有効で、治療が可能な精神遅滞として注目されています。
③クレアチン輸送体欠損症に対して現在はまだ、有効な治療法が確立していません。 これから開発が急がれるところです。