わが国の患者数

神奈川県の検討

 13年間の神奈川県におけるDown症候群症例の平均遺伝科初診例数(55例)や、Down症候群推定発生頻度(10-12/10,000出生)とから、Down症候群685例に対して20例のCHARGE症候群症例の出生(平均34例のDown症例に対して1例のCHARGE症例)と推定しました。

 すなわちCHARGE症候群の発生頻度は、28,000-34,000出生に1例程度と推定しました。

大阪府での検討

 大阪府立母子保健センターには、過去20年間に、CHARGE症候群患者が20例受診しており、現在も15例がフォローされていました。

 初診時年齢は様々であるが、年間1例程度のCHARGE症候群患者が受診するという計算になりました。ダウン症候群は年間約30例の初診があり、ほぼダウン症候群児30例に対して1例程度のCHARGE症候群の初診があることになりました。ダウン症候群の有病率(出生率)は700-1000人に1人とされており、30倍してCHARGE症候群の有病率(出生率)は20,000-30,000人に1人程度と推定しました。

医師への全国アンケート

 全国の小児遺伝学会員(臨床遺伝専門医、約180名)に質問紙を送付し、過去3年間に所属施設を受診したCHARGE症候群ないしCHARGE症候群の疑いの患者数の調査を依頼しました(一次調査)。患者ありと報告した学会員に、調査票を送付し、詳細な臨床情報を収集しました(二次調査)。本研究で策定した診断基準案を満たす患者は約70 名でした。

 神奈川県・大阪府の検討結果によれば、全国で毎年30~50名ほどの新しい患者さんが生まれてくることになります。現在、把握されている患者さんの総数が100名程度であることを考えると、相当数の患者さんはまだ診断されていないと推測されます。